不動産売却前に知りたい「公簿売買」の意味と起こり得るトラブルとは？

不動産の売却を検討して調べていると、「公簿売買」という言葉を耳にすることがあります。
不動産の売却や契約方法に関する言葉は専門用語が多く、いったいどういう意味なのか詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産の売却を検討する方に向けて、土地の売買にかかる契約方法のひとつである「公簿売買」についてご紹介します。

不動産の売却をするなら知っておきたい「公簿売買」と「実測売買」とは

「公簿売買（こうぼばいばい）」とは、土地の売買に関する契約方式のひとつで、売ろうとする土地全体の総額を、登記簿上の面積を基準にして売主が希望する金額に設定する方法のことをいいます。
土地を売却するときには、土地の価格を設定しなくてはなりません。
この土地の価格について、公簿売買では登記簿で決められている面積から決定し、たとえ登記簿上と実際の面積が異なっていたとしても、あらかじめ決めた価格で土地の売却をおこないます。
一方、登記簿上の面積を価格設定に用いる公簿売買に対して、実際に測定して正確な面積を出し、そこから価格を決定する方法が「実測売買」です。
公簿売買と実測売買との違いは、登記簿上の面積を参考にするのか、実測値を参考にするのかという点にあります。
また、実測売買では公簿売買に比べて時間や費用がかかってしまう点が大きな特徴です。

公簿売買はトラブルが起きやすいって本当？

公簿売買と実測売買を比べると、公簿売買では当事者間のトラブルが発生しやすいと考えられています。
その原因の多くが、実際の面積と登記簿上の面積が異なってしまっていることにあります。
登記簿上の面積よりも実際の面積が小さかったケース、とくに予想を超えて大幅に小さいケースでは、買主から不満が出やすいでしょう。
公簿売買の場合は、実際に面積が異なる場合でもお互いに文句を言わないのが基本的なルールです。
しかし、公簿売買の意味を十分に知らなかったり契約内容をよく吟味していなかったりすると、トラブルに発展しやすくなります。
買主が強く不満を感じ、公簿売買について十分に知らなかった場合、民法95条に基づいて錯誤無効を主張する例が少なくありません。
一度トラブルに発展してしまうと、買主・売主ともに時間と費用が余計にかかってしまいます。
お互いに公簿売買の意味や特徴をしっかりと理解しておくことが、トラブルを避けるための重要なポイントです。

まとめ

今回は、不動産の売却を検討する方に向けて、土地の売買にかかる契約方法のひとつである「公簿売買」についてご紹介しました。
信頼できる不動産会社や宅地建物取引業者などからしっかりと説明をおこなってもらうことも、トラブルを避けるひとつの方法です。
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